『大学』 訳注:金谷 治
『論語』『孟子』と並び儒教の四書とされる『大学』と『中庸』。
まず内容に入る前の段階で学べたのはこの四書を定めたのは朱子学を大成した朱熹だということ。
『礼記』という49篇もある本の中から、その中の1篇にすぎなかった『大学』と『中庸』を『論語』『孟子』とならべて、この4冊を読めば儒教の正当な流れを学べるものとして四書とした。
今回読んだのは前半の『大学』だけで残りの『中庸』はこの朱熹が定めた四書の通り、『論語』と『孟子』を読んでから読もうと思う。
『大学』は大学教育の理想とらどうあるべきか、という問いについて説いた本。
その答えとして記されているのが「三綱領」と「八条目」。
「三綱領」は
・明徳を明らかにする
・民を親しましむる
・至善に止まる
「八条目」は
・天下を平らかにする
・国を治める
・家を斉える
・身を修める
・心を正す
・意を誠にする
・知を致す
・物に格る こと。
儒教の「修己治人」の教えを唱えている。
この八条目は下から上へと進んでいって、つまりはまずは自分を修めないと、民を治めることなど出来ないと教える。
読んで印象に残ったのは
・上の者が仁を好んで下民を愛すると、下民も義を好んでお上に忠節になる
・苟日新、日日新、又日新
の2つ。
まず最初の文では
主従の関係は上からの支配ではなくて、双方向だというのを改めて感じた。
仕事の部下を使う・支配するのではなく、
重要なのはまずは自分が部下に何を与えれるのか。
それは技術だったり、仕事に対しての心構えだったり、色々とあると思う。
何かを与えられる人だからこそ、部下もついてくる。
そう思った。
苟日新、日日新、又日新 は
苟(まこと)に日に新たに、日日に新たに、又日に新たなれ
つまりは毎日成長、進化して新たな自分になれ
ということ。
これは座右の銘にしたい。
古典はやっぱり理解するの難しいし、時間がかかるけれど、本質的なことが記されている。
千年以上前のものが未だに読まれているだけの理由がよくわかる。
もっと古典に挑戦したい。